新卒採用をおこなっている殆どの企業が新入社員へ向けた研修へ取り組んでいます。
研修の形式は「ビジネスの基礎知識が学べる研修」から「現場での実践的な研修」など企業によって様々あり、経営者や配属部署からの新入社員に活躍してもらいたいという思いなどが込められます。
しかし、「成果が出ず悩んでいる」や「OJTへ頼りっきりになってしまっている」など、担当者からの悩みや不安の声も多いようです。
そこで今回は、新入社員研修の「計画」や「取り組み」のポイントを解説していきます。
1 . 新入社員研修の重要性
新入社員研修は、企業へ新しく入社する社員へ向け、働く上で大切な心構えや知識などを指導する研修であり、社員の成長を促進するために大切です。
具体的にはどのような重要性があるのか、大きく4つの重要なポイントをご紹介します。
学生から社会人への意識変革
入社後から数ヶ月の期間は「学生」から「社会人」へ意識を切り替えるのに適した期間であり、社会人となり「責任を持ち仕事へ取り組むこと」や「社会や会社の一員として取り組むこと」など社会人として大切なことを学び意識の変化が期待できるタイミングとなります。
逆に、この期間に社会人へと意識を切り替えることができなければ、その後の社会人生活に影響することがあるほど重要といえます。
社会人としての基礎知識を学ぶ
仕事へ取り組む上で必要となる知識や考えを学び社会人としての基礎を身につけることも大切です。
社会、会社、経営の知識や、コスト、ガバナンス、また昨今ではコンプライアンスといった社会人としての基礎知識を学ぶことで、社会で活躍するための基礎が身につきます。
ビジネススキルの基礎を身につける
基礎的なビジネススキルを身に着けることは、業務へ取り組むための基盤をつくるために大切です。
ビジネスマナー、コミュニケーション、プレゼンテーションなどの仕事術から課題解決の思考、ロジカルシンキングなどの思考術など、様々な仕事に必要なスキルを身につけることで社員の活躍を支援することができます。
業務に必要な専門知識を身につける
実際に仕事をするうえで必要となる専門的なスキルや知識を身につけることも大切です。
配属部門ごとに研修を設け、共通スキルと専門スキルを分けた研修の実施もオススメです。
2 . 新入社員が求める研修要素
研修で新入社員に向けて身につけてもらいたいスキルを学んでもらうことは大切です。
しかし、企業が求める要素だけで構成された研修になると、参加者が積極的に取り組めず効果が出ない要因になる可能性があります。
新入社員は、研修にどのようなものを求めているのでしょうか。
新入社員(若手社員)の声
当社が実施した就活生から入社3年目の若手向けアンケートの結果では、「社会人マナーなどの基礎」「働くことの考え方」「具体的な業務内容」が社会人になるにあたって、参加者が学びたいと考える要素であることがわかった。
「社会人基礎を身につける研修」と「業務の専門的なことを学ぶ研修」と状況に応じて担当部署を分けて取り組むのもオススメできる。
積極的に研修へ参加できる工夫
参加者に「何を学んでもらうのか」を考え研修を用意することは大切ですが、ただ重要なことを説明する研修では、参加者が主体的に取り組める研修にはなりません。
参加者が主体的に取り組めない研修では、効果が期待通りには進まないケースが多くあります。
そのため、「学んで欲しい内容」「新入社員が知りたい内容」を含め、参加者が研修へ積極的になるような工夫をおこないましょう。
3 . 研修内容やコンテンツ制作のポイント
自社で新入社員研修を実施するためにどのような準備をすればよいのか。
研修コンテンツを制作するためのポイントを解説します。
研修作成から実施までの計画を立てる
新入社員研修を実施するためにまずは、計画を立てましょう。
現場へのヒアリングや、目的設定、コンテンツ制作など取り組むことを正しい手順で進めることで、目的に沿った研修を用意することができます。
新入社員研修の目的とゴールを設定する
新入社員研修を準備する上で「目的」と「ゴール」を設定することが大切です。
経営者や配属現場にヒアリングをおこない、どのような成長が求められているのかを把握しましょう。
新入社員研修を実施することで、参加者に「どのような学びを得てもらいたいか」「どのように活躍して欲しいのか」など、研修をおこなう目的を明確にしゴールを設定しましょう。
研修を実施した後に、「参加者の声」や「配属部署の声」を参考にすることで次年度以降の研修に磨きをかけることができるため事前にゴールを設けることがオススメです。
設定した目的にあった研修内容を検討する
目的とゴールが設定できたら、研修内容を検討します。
「ビジネスマナー」や「業務経験」などいくつかのテーマに分け、「off-JT」 で取り組むのか「OJT」で取り組むかなど、具体的な内容を検討していきましょう。
具体的なコンテンツやカリキュラムの組み立て
具体的な研修の内容が検討できたら、コンテンツを準備します。
「座学」「グループワーク」「ロールプレイング」「レクリエーション」など各テーマの目的に合わせたコンテンツを用意しましょう。
座学で伝えたことに合わせた実践型のコンテンツを用意することで
参加者はアウトプットの機会となり、理解を促進することができます。
伝えるだけでなく経験ができるコンテンツを用意しましょう。
4 . 外部研修活用のメリット・デメリット
「新入社員研修の用意をするための人員が足りないが用意できない。」「自社で研修を実施しているが効果が出ていない」という場合には、外部研修を利用するというのも手段になります。
研修を外注するにも、メリットとデメリットがあります。
外部研修を利用する際は、自社の状況に応じて「外注する」「外注しない」を検討しましょう。
外部研修を利用するメリット
〈工数や時間をかけずに実施でき、社内の負担を軽減できる。〉
研修内容やコンテンツの準備をおこなうと、準備に相当な負担がかかります。
外部の研修を利用すると、人員と時間をかけておこなう研修の準備、実行、分析をプロに任せれるので
社内の工数を大幅に削減できるメリットがあります。
〈専門のプロから学ぶことができ、社内にないノウハウを学ぶことができる。〉
外部講師は専門的な知識を幅広くもっており、最新の動向を踏まえ伝えることができます。
そのため、社内では得れない知識やノウハウを学ぶことができ、また研修参加者が理解しやすい研修を実施することができるので、効果が期待できます。
外部研修を利用するデメリット
〈社内の経営理念など独自の文化を伝えることができない。〉
外部の研修では、専門的なことを深く学べるが、自社の理念や考えを教える機会が基本無いため、
社内の文化や方向性の理解が不足する恐れがあります。
そのため、自社の理念などについて理解できるような機会を別途設けるような工夫が必要です。
〈コストがかかる。〉
外部研修を利用するとコストがかかるため、経費が増えてしまいます。
研修の規模や、内容によって料金は変わってくるので、どのような目的で外部の研修を利用するのかを明確にして検討する必要があります。
5 . まとめ
今回は新入社員研修の重要性から計画のポイントを解説してきました。
入社後数ヶ月は、新入社員が企業で働くための基礎を学ぶに適したタイミングであり、
その後の生産性や現場での活躍に大きな影響を与えます。
研修を実施するだけでなく、研修の目的を明確にし、どのような内容をおこなうのか検討し、ポイントをおさえた研修を用意することが大切です。
新入社員研修を取り入れる際の参考にしてみてください。